
「まちんと」 松谷みよ子・さく 司 修・え 偕成社
広島の町で原子爆弾投下の被害にあった、ある女の子の話です。
「まちんと」とは「もうすこし」の意味で、まだうまくしゃべれない幼い子のせりふ。
もとは西日本の民話だそうで、ことばも絵も語りかけるようです。
小学生向きにショックを与えない配慮もされていると思います。
あかちゃん絵本、民話再話、原爆をテーマにした「ふたりのイーダ」などで有名な
児童文学者松谷みよ子がたどり着いた、子どもへの原爆伝承のかたち。
画家で装丁家、小説家でもある司修は最初の一枚を仕上げるまでに一年を要し
その後いくども描き直し、手直ししました。
1983年改訂版の最後には、現在の東京都心の風景が2ページつけ加えられています。
「ほら そこに―」
「いまも―」 ということばと共に。
こどもたちにずっと読み継いでいきたい、大切な一冊です。
お手にとっていただければ。
8月6日 原爆の日に